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セミナーレポート『企業のためのSNSセミナー』飯髙悠太氏(株式会社ホットリンク CMO)

SNSはその名が示す通りソーシャル(個人)ユースのために誕生した仕組みでありますが、それを「企業」が活用するとはどういうことなのでしょうか。

ネズミ算式に高速で拡散していくSNSの口コミに自社の商品やサービスを乗せたらすごいぞ!と単純に考えても、そんな虫のいい話ではなかったという経験を、この日の参加者は多かれ少なかれしていると思います。

参加者30名を想定していた当セミナーが、想定以上にお申し込みいただき、急きょ会場レイアウトを変更して50名近い席を確保することに。
その背景には積もり積もったSNSをめぐる企業の悩みがあったのかもしれません。
そんな皆さんの思いが渦巻く会場でセミナーは始まりました。


第1部 講義 『企業のためのSNS活用』

講師:飯髙悠太氏(株式会社ホットリンク CMO)

長髪でなかなかにかっこいい飯髙さんの話す内容は、この種の講義にありがちな専門用語で埋め尽くされた難解なものではなく、聞き手のレベルを問わないごく普通の語り口で進みました。この普通さこそが、企業のSNS活用で会得しなければならないことかもしれません。

「メディアは手のひらと一緒。人間が何かに手を添えたものについて伝えていく行為」という飯髙さん。
SNSも「実際の人間関係により近く考えるのがいい」というのが飯髙さんの一貫したスタンスです。

まず冒頭で確認されたのは、今の時代の消費者は実際にSNSで多くのこと決めているという事実です。
何を買うか、どこのどんなサービスを受けるのかなど、消費者行動のほとんどのケースでSNSが何らかの関わりを持っています。
消費者はSNSによって購買行動を決めていることは間違いない。
企業もそれを認識しているにもかかわらず、SNSで売り上げが上がったという話をほとんど聞かないのはなぜなのでしょう。

飯髙さんが挙げられたいくつかの原因のうち、特筆すべきは「自社アカウントの運用がゴールになってしまっている」という点です。
SNSで成果をめざす場合フォロワーの数などを指標とすることは全く意味がなく、重要なのは「良質なアテンション」なのだと言い切り、その源泉となるUGCを今日の講義の中心におきました。

本来コントロールできないものをコントロールし、指名検索につなげるのが企業にとって大きなアドバンテージを得る道です。
どうしたらその道を進めるのか、飯髙さんの口から語られたのは最先端技術でも業界の秘術でもなく、拍子抜けするほどヒューマンなそして当たり前な心理でした。
お集まりいただいた様々な業種の立場・経験の異なった皆さんも、この講義はもれなく納得いただいたのではないでしょうか。


第2部 『SNS流入を活かすWeb活用・コンテンツとその手法』

講師:阿部寛樹(株式会社JBN 制作ユニットリーダー)

Webサイトにおいてその主役はコンテンツに違いありませんが、Webの世界でコンテンツはどうあるべきなのでしょうか。
インターネットが普及し始めた当初は広告と混同し、伝えたいこと(自社の商品やサービスの魅力と思われるところ)を一方的に発信し続けるといったスタイルがよく見受けられました。
しかし、今やそれは「成果の出ないWebサイトの典型」であることは明白となりました。
真にユーザーの問題解決につながるコンテンツでなければ、行動を喚起するどころかだれにも受け止めてもらえないでしょう。

たとえばSNSで知り、サイトに訪れたユーザーを想定した場合、まずユーザーの不安や疑問に丁寧に答える必要があります。
その時、悩みに気がついていない「潜在層」、課題解決の方法がわからない「顕在層」、商品・サービスへの欲求が高まった「明確層」に分けてそれぞれの層を意識したコンテンツの作成・蓄積が有効だといいます。

実際にサイト制作の現場で長く経験を積んだ講師によれば、コンテンツのターゲットを全方位的にするのではなく、どんな段階のユーザーを意識するのかを絞り込んでコンテンツ群を構成することによって結果に結びつけることができるといいます。
自社のWeb上のコンテンツがどうあるべきか本当に真剣に考えなければならない時代が到来しています。


第3部 『トークディスカッション』

飯髙悠太氏×稲田英資(JBN 戦略策定ユニットリーダー)

ライトなトークショーになると思いきや、質問の多くが切実なものだったせいかもしれませんがとても真面目に、しかしわかりやすく答えていただきました。

そして飯髙さんの回答は総じて短くはっきりしています。
「会社・上司が、炎上などのリスクを恐れる」といった質問には「炎上はしません」と即答です。

たくさんの質問が出ましたが、その中で「ツイートのコツはなんですか?」に対する答えは次のようなものでした。

「わかりやすいことは大切で、ツイートの内容がわからないというケースは結構あります。発信することはないという声もよく聞きますが、どんな企業でも発信することがないなんてことはありえません。それなら商品やサービスに関わるキーワードを10個あげてみませんか。それがそのまま投稿内容になります。この10個のキーワードのどれかについてツイートし、それを積み上げていくのです」

どうですか、さっそく試してみましょう。


ネットワーキング:飯髙氏を囲んで、参加者の皆様と交流会

恒例のネットワーキングも例によって盛り上がりました。お酒も入ってそれぞれ本音の会話を楽しめたようです。
折しもこの会場のある善光寺界隈は今夜から「長野灯明祭り」。
会場の外にも灯籠がずらりと並び最高にムーディーな雰囲気をかもし出しています。
本日参加された皆さまが、明日から新たな視点でのSNS活用に取り組まれることを願ってやみません。

グラフィックレコード @企業のためのSNS活用セミナー

JBNスタッフ・佐藤香奈(戦略策定ユニット)によるグラフィックレコードです。

講師プロフィール

飯髙悠太氏 (株式会社ホットリンク CMO)  |

広告代理店、制作会社、スタートアップで複数のWebサービスやメディアを立ち上げる。企業のWebマーケティングやSNSプロモーションをはじめ、東証1部上場企業を含めて100社以上のコンサルティングを経験。2014年4月「ferret」の立ち上げに伴い株式会社ベーシックに入社後、「ferret」創刊編集長、執行役員に就任。2019年1月よりホットリンクに入社し、同年4月に執行役員CMOに就任。自著は『僕らはSNSでモノを買う』、『アスリートのためのソーシャルメディア活用術』。
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講師プロフィール

阿部寛樹 (株式会社JBN 制作ユニットリーダー)  |

1988年生まれ。上田市出身。大学ではデザインマネジメントを学ぶ。アパレル広報を経て、株式会社JBNにてWebディレクターとしてキャリアを積み、2019年より現職。戦略的サイトリニューアルで対前年比ユーザー数3倍、ページ閲覧数2倍、問い合わせ8倍など成果を生む。
JBNサイト

記事を書いた人

塚原康徳(株式会社JBN 取締役副会長) |

株式会社JBN役員。JAサイトなどの実績が多く、農業関連の知識も深い。SNSはがんばって勉強中。