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セミナーレポート「BtoB企業は広報・Web活用次第で変わる」大島幸男氏

7月27日(金)に、JBN講座「BtoB企業は広報・Web活用次第で変わる」をJBNの2階セミナールームにて開催いたしました。

メディアを使い、自社を社会に対してアピールしていくという点に関して、製造業の多くは立ち遅れているのが現状で、特に地方企業はその傾向が強いようです。
本講座は「BtoB企業におけるメディア活用」にテーマを絞り込み、長野県内の製造業を中心とする企業の皆様(15社17人)にお集まりいただきました。

ゲスト講師としてお招きしたのは、元・村田製作所で長年広報活動をリードし、成果に結び付けてきた大島幸男氏(大島BtoBコミュニケーションズ代表)です。巨大企業・村田製作所と言えども電子部品メーカーであって最終製品をもたないBtoB企業です。

一般消費者には関係ないからといって型通りの広報ですますのではなく、はっきりとした意図のもと広報戦略を継続して展開させてきたその実体験を中心にお話を伺いました。

第1部 「BtoB企業のブランディング戦略」

講師:大島幸男氏(大島BtoBコミュニケーションズ代表)

講師のお人柄の表れた、優しくて格好つけない素朴な語り口で綴られた講座となりました。一方で、その内容は積み重ねられた実績に裏付けられた確固たるものです。

今回の参加された企業がそうであるように、BtoB企業といった場合多くの場合は製造業で、しかも完成された最終商品を持たない場合が多く、村田製作所もその一つです。これらの企業体は、様々な理由で社会に対して自社をアピールしていく活動が消極的になってしまうのが普通です。

そんな中、今回大島氏が最も重要なポイントとしてあげたのが「知名度」です。「知名度」というキーワードは、この日の多くの参加者にとって不意を突かれた感じがしたのではないでしょうか。企業の広報・宣伝活動においてよく耳にするキーワードは「イメージ」とか「認知度」で、最近では「ブランディング」でしょうか。
「知名度」は、「知名度だけ上がっても」とあえて正面から語られなかったり、「うちは知名度がないから」と、何かの言い訳として会話に使われる単語であるような気すらします。

ところが大島氏は「知名度」というテーマに真正面から挑み、成果に結び付けてきました。そして常にその手法の裏付となっていたのは、あいまいな「感覚」ではなく、現実を表す「客観的データ」です。データを基に、どのメディアにどのように露出させれば知名度が上がるのかを緻密に考え、計画し、実行してきました。
そして、それによって得られた目に見える成果をこの日の講座でも示していただきましたが、それもやはり客観的なデータよって表現されたものでした。

BtoB企業はどうしても知名度が低くなりがちで、それは大きなハンディキャップの一つかもしれませんが、そこにピンポイントでしっかり取り組めば、逆に自社の優位性にもつながることを大島氏の足跡から学ぶことができました。

第2部 「BtoB企業のためのインターネットを使った顧客との出会い方」

講師:坂田大輔(株式会社JBN 常務取締役)

どちらかというとマスメディアをうまく使いながら知名度を上げることに重点の置かれた大島氏の講演に対し、第2部ではインターネットによる「顧客の問題解決」と「顧客との関係構築」が主たるテーマとしてとりあげられました。実例をあげながら話されたこの二つのテーマは、今までのマスメディアでは対応が難しかった分野でもあります。

しかしながらインターネットが普及して約20年たった今でも、従来のマスメディアとインターネットの特性の違いを明確に認識しないまま広報・宣伝活動のツールとしてしまう企業の方が多いのではないでしょうか。

今の時代、インターネットの活用抜きで企業の情報発信が成立するはずもなく、第1部の大島氏の講座と重ね合わせることで、本講座が目的に沿ったメディアの使い分けのきっかけとなることを願いたいと思います。

第3部 トークディスカッション

大島幸男氏 × 坂田大輔

広報・広告の具体的な手法に話が及ぶと思いきや、どちらかといえばヒューマンな方向に会話は進みました。大島氏のお話から一貫して感じたのは、どんな会社においても広報・広告部門だけが単独で頑張ってもなかなか形にはなっていかないということです。

先ず経営陣に理解してもらい、次につなげていくには広報と言えども成果に対する意識が大切で、それを常にデータで示せなければ経営陣を巻き込んでいくことができないということです。その際に競合企業のデータも併せて示すことや、定点(または定時)観測的など長いスパンの変化を示すことの大切さも教えられました。

また、広報活動には社内の現場を巻き込んでいくことも重要で、大島さんからはアイデアやデザインを社内から募ったお話や、地域の学校で行った出前授業の講師役はあえて製造ラインのスタッフを振り向けた実例などをお聞きすることができました。

とかく「広報部なんて金を使うだけで、何も生みださない」と烙印を押されがちなのですが、そうなってしまっては空回りをするばかりです。結局どんな企業も人間の集団であり、広報とはその集団についての様々な側面からの情報伝達であることを忘れて、机上の作業になってしまっては成立しないものなのでしょう。

交流会

講師と参加者の情報交換と交流&大島講師への質問と回答

どんな講座も「楽しく交流する」という要素を盛り込みたい私たちとすれば、毎回のこととはいえ交流会は必須です。

本講座のテーマからして男性の絶対多数を予想していたのですが、7人もの女性にご参加いただき、明るく華やいだ交流会になりました。それはビジュアル面においてのみならず、女性の参画による長野県のものづくり企業の将来に、明るさを感じずにはおれません。固定概念からなかなか脱出できない製造業企業にぜひ風穴をあけてほしいところです。

この日の交流会は事前に配られた質問カードに、大島氏にお答えいただくコーナーも設けられ、盛り上がりもひとしおでした。

参加企業(五十音順)
(株)NTTデータ信越 様
オリオン機械(株) 様
キッセイ薬品工業(株) 様
(有)ケー・アンド・エフ コンピュータサービス 様
サン工業(株) 様
シナノケンシ(株) 様
(株)星光技研 様
(株)都筑製作所 様
ディーアイシージャパン (株) 様
(株)長野銀行 様
日精樹脂工業(株) 様
(株)ニットー 様
日本電熱(株) 様
(株)ハーモ 様
(株)山田写真製版 様